家族信託の信託財産に不動産が含まれる場合、登記手続きが必要です。家族信託で必要な登記には、所有権移転登記と信託登記の2種類があります。
家族信託の仕組みでは、委託者が子どもや親族などを受託者として特定の財産の管理・処分を任せます。信託財産に不動産が含まれるときには登記が必要です。
信託財産に不動産が含まれるときの登記
信託財産に含まれるものとしては、預貯金、現金、株式、不動産などが挙げられます。不動産が信託財産に含まれる場合には、登記手続きが必要です。登記とは、会社や不動産などの権利関係を一般に公開するものです。不動産の所有権については、登記をすることでその権利を第三者にも主張できるようになります。
家族信託で必要な登記の種類
- 所有権移転登記:家族信託では、信託財産の所有権が受託者に移転します。そのため、売買などで不動産の所有権が移転した場合と同じように、所有権移転登記をすることになります。
- 信託登記:信託登記とは、家族信託などで不動産を信託したときに、信託契約の内容を登録する登記のことです。
家族信託の登記が必要なタイミング
- 家族信託開始時:信託財産の中に不動産があるときは、受託者が自身の財産と分別管理するための信託登記と、第三者に対抗するための所有権移転登記が必要です。
- 家族信託期間中:信託の内容が変更されることもあり、その場合は登記の変更手続きが必要です。
- 家族信託終了時:家族信託が終了した場合には、所有権移転登記と信託登記を家族信託がない状態に戻さなければなりません。
家族信託の登記に必要な書類と手続きの流れ
家族信託で不動産の所有権移転登記、信託登記手続きをするのに必要な書類は、登記申請書、信託契約書の公正証書など登記原因証明情報、信託目録に記録すべき情報、不動産の登記識別情報または登記済証、委託者の印鑑証明書、受託者の住民票、委託者と受託者の本人確認資料、固定資産税評価証明書、委託者の実印、受託者の実印もしくは認印などです。
必要書類が揃ったら、不動産を管轄する法務局に登記申請書を提出します。共同での手続きが難しい場合や、必要書類の用意に不安のある方は、司法書士などの専門家に相談するのもおすすめです。
家族信託の登記に関する理解と準備は、信託財産の管理と保護に不可欠です。不明点や不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。