家族信託は認知症対策などに有効とされていますが、デメリットも存在します。家族信託を利用したことで後悔する可能性もあるため、事前の理解と準備が重要です。
家族信託では、「委託者」「受託者」「受益者」の3者が関わります。委託者は財産の所有者で、受託者は財産の管理・運用・処分を任される人、受益者は受益権を持って財産からの利益を受ける人です。
家族信託の仕組みは、財産の所有権を2つに分けて考えることが特徴です。委託者が判断力を失った場合でも、受託者が信託財産の管理・運用・処分を行うことができます。
家族信託の危険性とリスク
家族信託では、受託者に権限が集中するリスクがあります。受託者が財産を適正に管理・運用・処分する際には、労力も多く、負担を感じることがあります。また、受託者に身上保護がないこともリスクの1つです。
家族信託の初期費用は、専門家へ依頼する場合で約50~100万円必要とされています。財産内容によっては100万円を超えることもあります。
失敗・後悔しないための家族信託のルール
家族信託で失敗・後悔しないためには、特有のルールを知っておくことが重要です。家族信託の「30年ルール」や「1年ルール」、信託できる財産とできない財産のルール、信託不動産の損失の損益通算禁止ルール、利益相反行為禁止のルールなどがあります。
実際にあった家族信託の失敗事例
家族信託は新しい仕組みであるため、十分な知識を持っている方は少ないです。自分で手続きを行ったが無効と処理された事例や、思っていなかった額の税金が発生した事例などがあります。
家族信託を利用する際には、事前に税理士や専門家に相談しておくことが大切です。また、家族間でのコミュニケーションをしっかりと取り、信託契約の内容を理解し合うことが重要です。
家族信託は、適切に利用すれば多くのメリットをもたらしますが、その設定には慎重な検討が必要です。不明点や不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。