家族信託における信託財産とは、家族信託で信託する財産のことです。信託財産の内容は信託契約によって決められ、必ずしも全ての財産が信託財産になるわけではありません。
家族信託の信託財産にできるものの例
- 現金:介護費用などとして柔軟に活用できます。
- 土地・建物などの不動産:収益不動産の管理や運用が可能です。
- 株式や投資信託、国債などの有価証券:ただし、上場株式は証券会社の対応により難しい場合があります。
- 貸付債権、クレジット債権などの金銭債権:長期にわたる返済の管理が可能です。
- 特許権や著作権などの知的財産権:侵害行為への対応などができます。
- 宝石や絵画、車、ペットなどの動産:実務上は管理の問題から少ないですが、可能です。
家族信託の信託財産にできないものの例
- 生命・名誉:財産的価値で評価できないため、信託財産とすることはできません。
- 個人の借金や保証債務:マイナスの財産については信託財産とすることはできません。
- 一身専属権:年金の受給権など、委託者の一身に専属する権利は信託財産とすることはできません。
家族信託で信託財産として検討すべき財産の例
- 委託者が住んでいる家:空き家になるリスクを避けるために信託財産としておくことが有効です。
- 共有させたくない不動産:相続による共有を避け、特定の者に財産を承継させることができます。
- 売却を避けたい土地:子どもの代で売却されるのを避け、孫に引き継ぐ義務を負わせることができます。
家族信託における信託財産の選定は、委託者の状況や目的に応じて異なります。信託財産として適切なものを選び、信託契約を結ぶことで、財産管理の効率化や相続トラブルの防止につながります。不明点や不安がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。